自民党の三大派閥

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・宏池会(岸田派)

・平成研究会(額田派)

・清和政策研究会(細田派)

自民党という政党(=ほぼこの半世紀の日本の政治)は、この三大派閥を中心に回ってきたといってもよい。池田勇人が設立した宏池会は、池田の他に大平正芳、鈴木善幸、宮沢喜一の3人の総理・総裁を送り出したが、鈴木の頃には完全に木曜クラブ(田中派)の掌の中にあり、現在も存在感は極めて薄い。その木曜クラブは佐藤栄作が設立した周山会を前身とし、内乱によって経世会(竹下派)に分裂した後もしばらく政界を牛耳り続けた。

岸信介の流れを汲む十日会系の清和会(福田派→安倍派)は唯一、田中派、竹下派に対抗しうる派閥勢力であったが、この間に総理・総裁の座に就くことができたのは福田赳夫1人である。1998年に清和政策研究会と名を変えてからは、森喜朗、小泉純一郎、安倍晋三、福田康夫と次々に総理・総裁を送り出して木曜研究会系の力を押さえ込んだかに見えた。が、小泉の頃より派閥自体の存在意義が問われ始め、2009年には民主党に政権を明け渡すにいたる。

その政権交代時に総理・総裁を務めていた麻生太郎は、自民党が政権に返り咲いた2012年の第2次安倍内閣以降、副総理のポストに就いて党内勢力を拡大していき、弱小派閥であった為公会(麻生派)を2017年7月に政策研究会系の山東派と宏池会の分派である谷垣派の一部を取り込んで党内第2位の勢力とする。これにより自民党の三大派閥は完全に形を変えることになり、「三大」にこだわる日本人の性質から見ても、宏池会系の岸田派と木曜研究会系の額田派はこれから何らかの再編を迫られることになると予想される。