世界三大指揮者

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20世紀前半の三大指揮者

・アルトゥーロ・トスカニーニ(1867年~1957年)

・ブルーノ・ワルター(1876年~1862年)

・ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(1886年~1954年)

イタリアに生まれたトスカニーニとドイツに生まれたフルトヴェングラーは演奏解釈も対照的で、政治的にもトスカニーニがナチスを忌み嫌ってアメリカへ渡ったのに対して、フルトヴェングラーは芸術の独立性を主張しヨーロッパに留まるなど、何かと意識し合うライバルであった。フルトヴェングラーと同じドイツに生まれたワルターは性格も演奏も中庸的で2人に比べると影は薄いが、日本ではその気質が好まれ「三大指揮者」の一角に入る。地域的なバランスを重視するなら、コンセルトヘボウ管を世界最高クラスのオケに育て上げたオランダのウィレム・メンゲルベルク(1871年~1951年)か『春の祭典』や『ペトルーシュカ』の初演も任されたフランスのピエール・モントゥー(1975年~1964年)、強烈な個性や独特な演奏解釈を重視するなら、日本でも人気のあるドイツのオットー・クレンペラー(1885年~1973年)かハンス・クナッパーツブッシュ(1888年~1965年)がワルターに代わる。

20世紀後半の三大指揮者

・エフゲニー・ムラヴィンスキー(1903年~1988年)

・ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908年~1989年) or セルジュ・チェリビダッケ(1912年~1996年)

・レナード・バーンスタイン(1918年~1990年) or カルロス・クライバー(1930年~2007年)

オーストリアに生まれたカラヤンとアメリカに生まれたバーンスタインもまたライバルとされた。フルトヴェングラーのベルリン・フィルを継いで「楽壇の帝王」に君臨していたカラヤンに対して、バーンスタインもヨーロッパに進出して定期的にウィーン・フィルの指揮台に立った。一方で、ロシアに生まれソ連に生きたムラヴィンスキーは、手兵のレニングラード・フィルを鍛え抜き、鉄のカーテンの向こうで高く険しい音楽を一人築いていた。一時はフルトヴェングラーの後継者と目されていたルーマニア生まれのチェリビダッケも、ベルリンを去って随分と経ってからミュンヘンに落ち着き、ミュンヘン・フィルと共に独自の音楽を作り上げる。そのチェリビダッケと互いに強く意識し合っていたのがドイツ生まれのクライバーで、カラヤンやカール・ベーム(1894年~1981年)といった大指揮者が「天才」と称して憚らない逸材であったが、極度の完璧主義からその才能を披露する機会は限定せざるを得なかった。