・ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲ニ長調(1806年)
・メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲ホ短調(1844年)
・ブラームス ヴァイオリン協奏曲ニ長調(1878年)
この中ではメンデルスゾーンのものがややこぢんまりとしており、一段下に見られる傾向もあるが、いずれもパトスを絶妙なバランスで配した名曲。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲ニ長調(1878年)を加えて「四大ヴァイオリン協奏曲」とされることも多い。ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番ト短調(1866年)も有名で、こちらを加えれば「ドイツ四大ヴァイオリン協奏曲」となるのかもしれない。
その他に演奏される頻度が高いのは、サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番ロ短調(1880年)、ヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調(1862年)、シベリウスのヴァイオリン協奏曲ニ短調(1903年)など。誰もが一度は聴いたことがある名曲、ヴィヴァルディの「四季」(1725年)もヴァイオリン協奏曲の形式をとる。現代に目を転じれば、ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番イ短調(1948年)と第2番嬰ハ短調(1967年)が大作として知られ、演奏される機会も徐々に増えている。